画像転載元:https://cashless.go.jp/
はじめに
2019年10月1日より消費税の10%への増税及び軽減税率が導入されました。
増税への対策とキャッシュレス決済の推進を目的にキャッシュレス決済によるポイント還元事業も同日にスタートしました。
この「キャッシュレス・消費者還元事業」の事務局業務を務める「キャッシュレス推進協議会」が提供する「ポイント還元対象店舗検索アプリ」がなんだか残念な感じなので記事にまとめてみました。
・お近くの対象店舗がすぐに探せる
・登録不要!かんたんに使える
・使える支払方法が店舗ごとに一覧できる
と謳い文句があるのですが、個人的にはすべて嘘だと言って良いと思います。
これらの謳い文句をキーにこのアプリをレビューしていきます。
お近くの対象店舗がすぐに探せる
お店を探すときってどうやって探すでしょうか?例えば昼食が食べたいのであれば、ランチをやっているお店などで検索したいと思います。しかし、このアプリにはそういった機能は一切ありません。
このエリアで検索する これだけです。
「このエリアで検索」ボタンを押すと画面内で表示している地図上の対象店舗点が点で表示されます。絞り込みは何もありません。対象店舗のガソリンスタンド・クリーニング店・レンタカー…etc 全てが地図上にマッピングされます(しかも位置は不正確)もし、ランチを食べたいお店を探したければ、一つずつ触って詳細画面を確認していくしかありません。さらに困ったことに、店の名前・住所・電話番号・利用可能な決済方法これだけしか表示されません。〇〇うどんのようなお店であればよいですが、おしゃれな洋食屋さんと洋服屋さんを区別するのは難しいかと思います。
登録不要!かんたんに使える
登録不要です。ここだけは事実です(笑)また、”かんたんに使える”の言葉の意味が操作のことを言っているのであれば間違ってはいないと思います(このエリアで検索すると、スワイプして詳細を見る、Mapアプリを開くしか操作できない)
使える支払方法が店舗ごとに一覧できる
驚くことに店舗ごとに一覧できないんです(笑)下記を見ていただくとわかると思いますが、この店舗の場合はクレジットカードとその他で地図上には別々の点で表示されるんです。いや、これ本当に何のアプリなんだ…?
まとめ
少しだけ擁護しておくと、PC向けのWebアプリケーションは多少マシで食料品・衣料品などでの絞り込みの機能があります。おそらくスマホアプリ版でも実装されるのではないでしょうか?しかし、カテゴリー分けの文言が「小売業」「サービス」などになっており、一般消費者が使うアプリケーションには到底見えないと私は感じました。
https://map.cashless.go.jp/search
このアプリの存在意義は「存在していること」以外に無いような気がします。よく言う手段が目的になるパターンですね。
そもそも、この制度自体がキャッシュレス事業者へ政府が便宜を図るための施策でしかないように思えます。キャッシュレス事業者としては加盟手数料の収入が入ればいいだろうし、消費者と店舗間でのキャッシュレス決済はむしろ行われないほうが還元する額が減って懐的には好ましいはずです。
※画像転載元 https://cashless.go.jp/assets/doc/gaiyou_cashless_kessai.pdf
キャッシュレス推進協議会の役員等の面々もキャッシュレス決済事業者の名前が多く見られ、中小の事業者は消費者は置き去りにされているように感じます。
経済産業省 キャッシュレス推進協議会設立に関する発表
https://www.paymentsjapan.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/12/0702_releasefinal.pdf
と、最後は辛辣かつ被害妄想に近いコメントを並べましたが、キャッシュレス決済の普及自体にはメリットは大いにあり、推進されていくべきだと思います。しかし、制度、施策については残念な部分が多いように感じます。