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復讐の物語。The Last of Us Part II プレイ後の感想(ネタバレ注意)

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The Last Of Us Part2遂に発売しましたね。発売日にDL版を購入してさっそくプレイしました。PS5発売に向けたPS4の集大成と言って過言ではない、素晴らしい完成度のゲームだと思います。本記事では映像や操作回りなどゲームとしての感想、および賛否両論があるストーリーについての感想を述べたいと思います。一部、ゲームのネタバレも含まれるため、未プレイの方は、先にゲームをプレイすることをおすすめします。

 

 【PS4】The Last of Us Part II 

 

 

映像の美しさは随一

 まず、映像がとてもリアルで美しさに驚きました。キャラクター達のモデルもそうなのだが、自然の表現。森の草木や、雪、水がとにかくリアル。RDR2やデスストなどでも驚かされましたが、リアルさだけで言えばそれらを遥かに凌いでいると感じました。引き合いに出した2作品とはリニアかオープンワールドかゲームの舞台(マップ)の扱い方が違うので単純には比較できませんが、映像の描画がリアルだと感じるのは間違いなくラスアス2だろうと思います。

 従来型の3Dアクションゲームのクオリティを究極まで突き詰めたゲーム。それがラスアス2じゃないかと思います。

 

前作からの順当な進化もちょっと古臭い?MGS4を思い出す

 ラスアス2にゲームのジャンルを与えるとすればステルスアクションゲームとなるでしょう。ラスアス2に非常に似ていると思うゲームがあります。それはMGS4です。

 

メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫) (日本語) 文庫

 

 なんとなくパッケージが似ている……という話ではなく、ゲーム自体も似ている部分が多くあると思っています。MGS4はリニアなステルスゲーム。ラスアス2もそうです。両者のゲーム共にあまりスピード感があるゲームではありません。ステージ毎にパズル的に戦略を組みながら、敵を陽動し無力化しステージのゴールを目指して進んでいくところに楽しさがあります。ごり押しで進もうとすると、すぐにやられてしまうし、ストレスが溜まりますが、作戦が見事に決まり、敵に気づかれずにゴールした時は非常に大きな達成感が得られます。それを言ったら、どのステルスアクションもそうだろ!となるところですが、操作した時にMGS4を思い出します(ラストバトルもね)

 前作から順当に進化しているものの、何か画期的なギミックがあったり、ゲームを面白くする新しい要素が見当たらないのが少し残念だったようにも思います。そういった部分が作用してMGS4(2008)が頭に過るのではないでしょうか? 映像美は素晴らしいのですが、ゲームとしては新しさが感じられない。逆を言えば完成されたフォーマットを上手く使っているとも言えるのかもしれません。

 

ポリコレ

まあ、そういう時代なんでしょうね。悪いことではないと思いますが、ポリコレスターターセットとでも言わんばかりに詰め込むのは返って本来の趣旨に反しているのではないかと思います。ストーリーや配役に沿った各人の個性として取り扱われるようになるのが本当ではないかと思います。(ところで不貞はいいのか?)

 

ストーリー全般

 2としてはよくできているなと思いました。前作を上手く伏線にしてストーリーを膨らませていて、それでいて整合性は取れている。ただ、良くできているものの、ひたすらに血みどろの復讐劇が繰り返され、見ていて悲しく辛い気持ちになりました。前作のエンドはジョエルの決断は合理性を欠いており、これで本当によかったのかと疑問も残りますが、心を揺さぶられるものがありました。しかし、今回のエンドを見た後は虚無感しか残りません。この復讐劇は何だったんだろうと。ただ、復讐を目的として動き始めた時点で大団円はあり得ないんですよね。わかっていて落ちていくしかない。辛い物語です。

 

二人の主人公は必要だったのか?

 プレイ前はエリーが主人公だとばかり思っていましたが、もう一人主人公がいます。そう「アビー」この対立し合う二人を主人公として操作させられる上に、シーンによってはそのもう一人の主人公と対峙し、決して二人が分かりあうことはない。そのせいでプレイヤーの気持ちの持って行く先がわからなくなってくる。これがこのゲームの気持ち悪さの一番の要因だと思います。

 映画や単純な映像作品であれば、一歩引いた目線で二人を見ることもできるのでしょうが、このゲームでは「エリー」および「アビー」を一人称の視点(ゲーム操作の視点ではなく、本人を演じるという意味で)で操作することになるため、序盤はエリーの復讐劇=プレーヤーの復讐劇としてストーリーにのめり込んでいくものの、中盤のストーリーの山のところで視点が180度変わり、アビーの側で父親、仲間の死とレブとの出会いを経験していくことになる。そして二人は殺し合い、互いを傷つけあう。

 復讐の虚しさや白々しさを描くだけであれば、二つの視点は必要なかったのではないかと思います。でも逆を言えばこの気持ち悪さ・辛さはゲームだからこそ表現できたと言えるのかもしれません。

 

ゲームとしての評価

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 よくできたゲームです。最高のゲーム体験を提供してくれます。ただ、『ゲームとしての新しさは感じられなかった。』また、『ストーリーについては個人的には好みではなかった。』というのが私の評価です。では駄作なのかというとそれは違うと思います。この何とも言えない辛さ・気持ち悪さを人の心に残すというのはそう簡単なことではありません。間違いなく名作の一つだと思います。